今回は、識学の安藤社長の書籍「できる課長はこれをやらない」について紹介します。
こちらはシリーズ化されており、経営者向け、新人向けもあり、それぞれの立場においてのあり方について書かれています。
「できる課長はこれをやらない」は次のような人をターゲットにして書かれています。
- 課長
- 役職者 (係長・主任)
- 中間管理職ポジションの方
タイトルは課長となっていますが、実際には中間管理職の方向けの内容になっています。
中間管理職とは、上司がいて、部下がいるポジションの人になります。
そういった意味では、多くの人の役にたつ書籍となっております。
非常に有益な書籍だと思いますので、本記事で興味をもっていただけたらうれしいです。
できる課長はこれをやらない」の要約
本書籍は、次のような内容について書かれています。
- できる課長はできる社員でなければならない
- できる課長の部下との接し方
- できる課長の部下育成
- できる課長の上司との接し方
- できる課長の心構え
- できる課長の出世方法
それぞれについて、さらに細かく「課長としてあるべき姿」と「やってはいけないこと」を具体例を交えて書かれています。
ひとつひとつも短くまとめられているので、とてもわかりやすい校正になっています。
では、詳しく見ていきましょう。
できる課長はできる社員でなければならない
- できる課長は自己評価をしない
- できる課長は、誰から評価を得なければならないのかを間違えない
- できる課長は無駄に止まらない
- できる課長は、あとから「言い訳」をしない
この中では、「できる社員は、誰から評価を得なければならないのかを間違えない」のところが印象的でした。
では、課長が誰から評価されるのか?
そうです。部長です。
お客様でも、部下でもありません。
いくらお客様や部下から評価されていても、上司から評価されなければ意味がないということです。
つまるところ、「会社が目指す目標を達成するにあたり、必要な戦力になる」ということを課長は求められており、そこを間違えると評価の低い課長になってしまうのです。
そこを間違えない課長が「できる課長」ということです。
できる課長の部下との接し方
- できる課長は、部下と友だちのように接しない
- できる課長は部下と無駄に飲みに行かない
- できる課長は、部下に「お願いします」を使わない
- できる課長は背中で見せない
- できる課長は部下に感情的に接しない
- できる課長は数字の未達より挨拶しないことを許さない
- できる課長は、部下の「モチベーション」を気にしない
「できる課長は数字の未達より挨拶しないことを許さない」というのがこの章では、インパクトがあるのではないでしょうか。
識学では、挨拶などを「姿勢のルール」といっており、これを守ることを厳しく求めています。
挨拶ひとつという話なのですが、こういったことが守れない組織は、組織として機能しないと考えています。
実際に、組織としては部下は上司の指示を聞かなければならない存在であり、そうでなければ組織運営はできません。
その第一歩として、まず「姿勢のルール」を守らせるということを管理者に求めています。
これにより、上司の決めたルールは守らなければならないという認識をしてもらうことができます。
組織運営がスムーズにおこなわれる状態するためにも、部下の「姿勢」を正すことが重要であると述べています。
できる課長の部下育成
- できる課長は部下のやり方に口を出さない
- できる課長は「やってみなはれ」を単独では使わない
- できる課長は部下を無駄に褒めない
- できる課長は頑張っている姿を評価しない
- できる課長は「もっと気合を入れます」を許さない
- できる課長は部下の「腹落ち」を求めない
- できる課長は「ただの言い訳」を許さない
- できる課長は適材適所という言葉をむやみに使わない
この章で識学らしいところは「できる課長は無駄に褒めない」というところでしょう。
基本的に識学では、安易に褒めるという行為を許していません。
それは、「褒められないと動けない部下」を作ってしまうと考えているからです。
褒めるという行為を簡単にしてしまうと、褒め続けないと部下は動かなくなるし、「あたり前の基準」が低くなってしまうことで組織が弱くなってしまいます。
例えば、売上100%を達成して褒められたら、それでいいと考えてしまいますよね。
簡単に褒めるしまうと、部下はそれ以上の成果を求めなくなっていくと本書では述べられています。
褒めるという行為は、部下の成長を妨げることなり、それは決していい上司であると限らないということです。
たまに褒めるからこそ、褒める価値があり、その言葉を求めて意識的競争をすることにより、組織が強くなると考えているのです。
できる課長の上司との接し方
- できる課長は、上司からの評価をあきらめない
- できる課長は部長の威を借りない
- できる課長は上司と競わない
- できる課長は言い訳に部下を使わない
- できる課長は、上司が「決めないこと」「変わること」を言い訳にしない
ここでポイントになるのは、「できる課長は、上司からの評価をあきらめない」というところです。
こちらは先の章でもでてきた、「できる課長は、誰から評価を得なければならないのかを間違えない」ということにもつながっています。
本書では、いくら上層部と考えが合わなくても、課長は絶対に上司からの評価を諦めてはいけないと言っています。
やはり、課長を評価をするのは上司であり、お客様や部下ではありません。
そのことを自覚しないと会社とのベクトルがどんどんずれていき、最悪の場合、評価を得ることができず会社を辞めるということになりかねません。
そして、あなたの評価が上がらないと、部下も巻き添えをくらいます。
その結果、部下からも見放されてしまうことになってしまいます。
あくまでも課長は中間管理職であり、経営陣ではないので、会社の意思に従わなければならない立場です。
会社という組織で決められたルールの中で、自分が正しいと思うことを行うことを求められているのです。
できる課長の出世方法
- できる課長は経営者のつもりで考えない
- できる課長は会社全体のことを無駄に考えない
- できる課長は、隣の部署の部下からの相談に乗らない
- できる課長は、アピール不足を出世できない言い訳にしない
- できる課長は直談判しない
この章で私が興味深かったところは、「できる課長は、隣の部署の部下からの相談に乗らない」の箇所です。
実際にこういったシーンってありますよね。
「直属の上司が厳しすぎてつらい」とか「課のやり方が気に入らない」など、他部署から相談された時の対応について書かれています。
基本スタンスは、「直属の上長に相談しなさい」と促すということです。
とても冷たく感じるかもしれませんが、この相談にのって相手の課長の悪口や、ダメなところを指摘しても、だれも幸せにならないということです。
最終的には当人通しで話をするしか解決方法はないのです。
ただし、セクハラやパワハラ、不正行為は別です。
これらは会社のルール違反なので、そういった会社のルール違反をしていることについては、相談にのり、場合によっては然るべき対応をしなければなりません。
そういった緊急事態的な案件以外は、組織の仕組みに乗っ取ってドライに接しましょうという感じです。
できる課長の心構え
- できる課長は、自分の会社の成長のためにいることを忘れない
- できる課長は管理職であることを忘れない
- できる課長は、自分が間の立場であることを忘れない
この章は最後のまとめで、課長としてあるべき姿を総括しています。
最後まで一貫して述べられているのは、課長はあくまでも中間管理職であり、その立場を忘れて行動してはならないということです。
最後まで識学らしい切り口で書かれており、識学を知らない方には、とても斬新な視点があると思います。
とてもわかりやすく、タメになる本ですので、ぜひ読んでいただければと思います。
識学の安藤社長は他にも書籍を出しており、そちらも有益です。
別記事で紹介していますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
今回は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。